株式会社の設立からLLC(合同会社)の設立まで対応!

商号(LLC(合同会社)の名前)

LLC(合同会社)の商号を決める際には、いくつかのポイントがあります。

1.同じ地番で、同じ商号は使えない
新しく会社を設立しようとする際、同じ地番で同じ名前の会社が既に存在している場合には、その商号を使うことができません。逆に、同じ地番でも違う商号の場合や、違う地番に同じ商号がある場合は使うことができます。  
例.既存の会社  香川県高松市国分寺町○○番地△ 合同会社○□
   → 新しく設立しようとする会社  香川県高松市国分寺町○○番地□ 合同会社○□  可能
   → 新しく設立しようとする会社  香川県高松市国分寺町○○番地△ 合同会社□△  可能
2.使用できるローマ字等に制限がある
現在、商号として使用できるローマ字等は以下の通りです。
a.ローマ字(大文字及び小文字)    b.アラビア数字
c.記号 「&」(アンパサンド) 「’」(アポストロフィー) 「,」(コンマ) 「−」(ハイフン)
      「.」(ピリオド) 「・」(中黒)  
例.Yabuuchi合同会社  合同会社T&Y  合同会社2007  籔内2008哲也合同会社    全て可能
3.商号のどこかに必ず「合同会社」を入れる
株式会社を設立する場合は、商号の中に必ず「合同会社」という言葉を入れなければいけません。入れる場所は前(合同会社○○)でも後(□□合同会社)でも構いません。

なお現在では、同じ市区町村で同じ事業を行うために、既存の会社と同じような商号を付けることは可能ですが、後日、郵便の配達で間違いがあったり、既存の会社から紛らわしいとクレームがくることもあり得ます。

商号や本店所在場所を決定する際は、必ず事前に法務局で類似商号の会社が近くにないのか、本店所在場所にどのような商号の会社があうるのか、調査を行った上で最終的に決定するようにすることをお勧めします。


本店所在場所

本店所在場所とは、会社が置かれている住所のことをいいます。

本店所在場所は法務局で登記されますので、本店所在場所を移動すると移動した日から2週間以内にその旨の変更登記の手続きが必要になります。

本店所在場所を決定する際のポイントは以下のようになります。

1.同じ商号で、同じ地番には本店を置けない
これは「商号」の欄でも説明してますので、「商号」欄の「1.同じ地番で、同じ商号は使えない」を参考にしてください。
2.本店所在場所は移動する可能性が少ない場所を選ぶ
本店所在場所は法務局で登記されますので、本店所在場所を移動すると移動した日から2週間以内にその旨の変更登記の手続きが必要になります。  
変更登記の際には法務局の管轄地によって、同じ管轄地に移転する場合で3万円、違う管轄地に移転する場合で6万円の費用がかかります。変更登記の手続きを司法書士に依頼する場合には、別途司法書士への報酬が必要です。

目的

目的は、その会社がどのような事業を行うことを目的にしているのか表したものです。

目的はどのように書いてもいいというわけではなく、「適法性」「営利性」「明確性」が必要とされています。

目的を決定する際のポイントは以下のようになります。

1.適法性
これはそのままなのですが「法律にあったもの」ということです。例えば「麻薬の取引」「銃器の製造、販売」などは犯罪行為ですので、適法性があるとはいえず認められません。
2.営利性
合同会社は利益を追求する営利法人です。当然、行う事業は利益が出るようなものでなければいけません。例えば「ゴミ拾いのボランティア活動」では利益は出ませんので、目的に入れることは認められません。
3.明確性
第三者が事業目的を見たときに、その会社が何をやっているのか社会通念上分かるものが求められます。
4.許認可が必要な事業の有無
事業を営む上で許可が必要な事業(介護事業、産業廃棄物処理業、古物商等)があるかどうか、事前に確認しておきます。許認可が必要な場合、会社であれば目的の中に記載があることが求められ、その記載内容についても細かく求められることがあります。 必ず許認可の担当行政庁に確認してください。
例.介護事業の訪問介護を行おうとする場合
目的の記載 : 訪問介護事業 … 不可    介護保険法に基づく訪問介護事業 … 可能

資本金

設立時に会社に出資する資本金を決めていきます。

合同会社を設立する際は1円以上の資本金が必要です。

ただ実際は、新設される会社にとって資本金は当面の運転資金になりますので、ある程度まとまった金額を出資することをお勧めします。

資本金は一般的に現金によって出資されますが、金銭以外による出資(「現物出資」といいます。)も可能です。一般的によく現物出資に利用される物として、以下のものがあります。

パソコン、車、重機、土地、建物等

現物出資を行う場合、原則として裁判所が選任する検査役の調査が必要です。この調査を受けると費用と時間がかかってしまいます。ただし、以下のいずれかに該当する場合は調査が不要となります。

  • 現物出資する財産の総額が500万円以下の場合
  • 市場価格のある有価証券の場合
  • 財産の価額が相当である旨の弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士、税理士法人のいずれかの証明がある場合

他に資本金の額を決定するポイントとして以下のことがあります。

1.資本金の総額が1,000万円以下の場合、会社設立後最初の2期は消費税の免税業者となる
通常、売上高が1,000万円以上ある個人事業や会社は消費税の課税事業者となりますが、資本金が1,000万円以下の会社に限り、最初の事業年度2期分については売上高が1,000万円以上になっても免税業者となります。
2.現物出資は税法上では場合によって税金の問題が発生する
現金の代わりに現物出資を行うと、税法上では個人から会社に対して売買を行ったことと同様に見られます。ある程度大きな価格の物を現物出資する際には、事前に税務署や税理士に相談されることをお勧めします。

営業年度

営業年度は、1年を超えない期間で会社の会計をいつ行うのか決めた年度のことです。

基本的に好きな時期を選ぶことができます。ちなみに3月決算というのは一般的に営業年度が「4月1日〜翌年3月31日」のことをいいます。営業年度が「8月1日〜翌年7月31日」までだと「7月決算」となります。

営業年度についてのポイントは以下の通りです。

1.設立時であっても1年を超えることはできない
営業年度は会社設立時であっても1年を超えることはできません。
例えば毎年3月を決算月に設定するとします。会社の設立が5月1日であれば、1期目は5月1日〜翌年3月31日まで11ヶ月、2期目は翌年4月1日〜翌々年3月31日までとなります。設立の日が2月1日であれば、1期目は2月1日〜3月31日まで2ヶ月、2期目は4月1日〜翌年3月31日までとなります。
設立時の決算期は、消費税の免税時期にも関係しますので、よく検討して決定する必要があります。
2.営業年度でも後で変更することが可能
営業年度でも、会社設立後に変更することができます。例えば設立時に4月1日〜3月31日までとしていたのを、10月1日から9月30日までに変更することも可能です。ただし、変更する際には決算前の決算作業と変更後の決算作業と二回決算を行わなければいけません。必要な手間と時間を考えればできるだけ決算期の変更はしないでいいように、最初に決定することをお勧めします。

社員に関すること

社員は設立時、定款を作成し、資本金の出資を行い、設立登記申請を行います。

社員になるためには必ず出資を行わなければいけません。

設立後の会社においては業務を執行します。
ただし、定款の定めによって業務を行わない(出資のみ)と言うことも可能です。

合同会社を設立・運営するには社員は1名以上いれば良く、何人以内という人数制限もありません。

社員に関することは、次のことを確認・決定していきます。

  • 誰が社員になるのか
    (社員全員の氏名・住所の確認)
  • それぞれの出資額、出資口数
  • 利益配当の配分
    (LLC(合同会社)では出資額に捕らわれず利益の配分を自由に設定できます)